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下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘
DV-X研究協会会報, 27(1&2), p.34 - 44, 2015/03
共役系ホウ素窒化炭素化合物(BCN)は触媒活性などの機能性が注目を集めている。しかし、その原子配置は不明である。我々はNEXAFS分光法のN吸収端でのスペクトルをDVX法で解析し、原子配置に関する分極ルールを提案した。本発表ではB吸収端でのスペクトルから分極ルールを再検討した結果について報告する。BCNのB及びNのNEXAFSスペクトルは六方晶窒化ホウ素(h-BN)のNEXAFSスペクトルのピークよりも低エネルギー側にブロードな成分を示し、偏光依存性解析からそれらの成分は面外遷移に帰属される。グラファイト構造BCNについて原子配置の異なる幾つかのモデルクラスターの準位の電子状態をDVX法により計算した。BC2NはB, Nどちらの内殻励起においてもh-BNよりも低い励起エネルギー領域に準位を示した。B, C, N間で大きい分極をもつ原子配置の場合はB吸収端において大きいピーク強度を示すが、B, C, N間の分極が小さい原子配置の場合は逆の傾向を示すことから、B吸収端のNEXAFSスペクトルの結果も分極ルールの存在を支持することがわかった。
Hellgren, N.*; Guo, J.*; Luo, Y.*; Sthe, C.*; 安居院 あかね; Kashtanov, S.*; Nordgren, J.*; gren, H.*; Sundgren, J.-E.*
Thin Solid Films, 471(1-2), p.19 - 34, 2005/01
被引用回数:133 パーセンタイル:96.57(Materials Science, Multidisciplinary)窒化炭素は近年ハードディスクや記録ヘッドなどの材料として着目されている。本研究ではマグネトスパッタ法によって作成した窒化炭素薄膜の電子構造を、軟X線光電子分光,X線吸収分光法,発光分光法によって測定した。これにより、薄膜作成時の温度などの条件で窒素-炭素の結合や、そのマイクロストラクチャーが変化することがわかった。
上條 栄治*; 青井 義文*; 比佐 正明*; 内海 渉; 綿貫 徹; 山口 浩司*
Diamond and Other Carbon Materials 3, p.97 - 104, 2003/05
Si100基板上に電子サイクロトロン共鳴プラズマスパッタリング法により作製された窒化炭素薄膜の体積弾性率を高圧X線回折の手法により測定した。薄膜は、それぞれ39-68GPaと370-400GPaの体積弾性率を持つ2種の結晶相から形成されいることが明らかになった。
下山 巖
放射光, 15(1), p.12 - 19, 2002/01
窒化炭素はダイヤモンドを越える超硬物質となる可能性が指摘されており、その合成が盛んに試みられているが、合成された材料の原子レベルでの構造はまだ不明な点が多い。われわれのグループでは放射光の偏光特性を用いて窒化炭素薄膜の原子レベルの局所構造を調べ、薄膜中にC≡N三重結合をもつシアン構造、C=Nに重結合をもつピリジン構造,グラファイトのCがNで置換されたグラファイト構造の3つが存在することを明らかにした。本論文では窒化炭素薄膜の局所構造解析に用いた吸収端近傍X線吸収微細構造(NEXAFS)の手法と結果を詳しく解説するとともに、X線光電子分光法(XPS)との比較からその有用性について論じた。
下山 巖; Wu, G.; 関口 哲弘; 馬場 祐治
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 114-116, p.841 - 848, 2001/03
被引用回数:49 パーセンタイル:86.56(Spectroscopy)窒化炭素(CN)化合物は近年新しい材料として注目を集め、六方晶, 立方晶など固体でのさまざまな構造が提案されている。しかしこれまで合成されたCN化合物の構造はまだ十分明らかにはなっていない。この新物質の構造を調べるためわれわれは炭素の最も基本的な構造の一つであるグラファイトに低エネルギーの窒素イオンを打ち込み、その構造を吸収端近傍X線微細構造(NEXAFS)法を用いて調べた。NEXAFSの大きな特徴は偏光依存性測定を行える点にある。偏向磁石から放射されたシンクロトロン放射光は直線偏光を持つため、吸収係数が電場ベクトルEと分子軌道方向との角度に依存する。よって偏光依存性測定を行うことにより系の配向に関する情報を得ることができる。われわれは3keVの低エネルギー窒素イオンを1.710ion/cmのフルエンスでグラファイトに打ち込み、軟X線のさまざまな入射角におけるN 1s NEXAFSをin situで測定した。その結果、3つの*共鳴構造と1つの*共鳴構造を得た。*と*共鳴構造の強度は軟X線の入射角に依存し、*共鳴構造は斜入射において大きく*共鳴構造は直入射において大きくなるという結果を得た。この結果はグラファイトのC 1s NEXAFSの傾向と似ており、合成されたCN薄膜がグラファイト構造に似た層状構造をとることを示唆している。そこで我々は各々の共鳴構造の帰属を行うため各ピーク強度の入射角依存性を解析し、CN薄膜が少なくとも3種類の微細構造をもつこと、さらにそのうちの一つが窒素置換されたグラファイト構造をとることを明らかにした。
下山 巖; Wu, G.; 関口 哲弘; 馬場 祐治
Physical Review B, 62(10), p.R6053 - R6056, 2000/09
被引用回数:106 パーセンタイル:95.3(Materials Science, Multidisciplinary)新しい機能性材料として注目されている窒化炭素(CN)化合物の局所構造を明らかにするために、CN化合物の吸収端近傍X線微細構造(NEXAFS)を調べた。3keVの低エネルギー窒素イオンをグラファイトに打ち込み、N 1s NEXAFSの偏光依存性を測定した。その結果、3つの*共鳴構造ピークa(398.3eV),b(399.5eV),c(400.7eV)を観測した。このうち、ピークa,cは、グラファイトのC 1s NEXAFSにおける*共鳴構造と同様の傾向の偏光依存性を示した。一方ピークbはあまり偏光依存性を示さなかった。以上の結果はピークa,cに対応する局所構造がグラファイト構造と同様の配向を持ち、ピークbに対応する局所構造がランダムな配向を持つことを示唆する。以上の結果よりわれわれはピークa,b,cがそれぞれピリジン構造、シアン構造、グラファイト構造をもつCNの局所構造に対応すると結論した。この結果は窒素置換されたグラファイト構造の存在の明らかに示すものであると考えられる。
下山 巖; 関口 哲弘; 馬場 祐治
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 39(7B), p.4540 - 4544, 2000/07
被引用回数:8 パーセンタイル:38.3(Physics, Applied)近年新材料として期待されている窒化炭素化合物の局所的な化学結合状態を調べるため、グラファイトに1keVのNイオンを照射することにより形成した窒化炭素薄膜のN1s,C1sX線光電分子光(XPS)スペクトルを測定した。その結果、窒化炭素薄膜のN1sのXPSスペクトルには3つの異なるC-Nの結合状態に対応した3つのピークが観測された。このピークの帰属を行うため、標準物質のC,N1sの結合エネルギーをXPSで測定し、窒化炭素薄膜のC,N1sの結合エネルギーと比較した。その結果からN 1s XPSの3つのピークはsp,spの結合状態の違いに起因するのではなく、それぞれ3つの炭素原子に結合した窒素、負の形式電荷を持つ窒素、そして炭素原子と結合していないフリーな窒素に帰属されることを提案した。
下山 巖; 関口 哲弘; 馬場 祐治
Proceedings of 3rd International Symposium on Surface Science for Micro- and Nano-Device Fabrication (ISSS-3), P. 158, 1999/00
ダイヤモンドよりも硬いという-CNの理論的報告がなされて以来、窒化炭素薄膜の合成及びその物性研究は非常に興味深い。われわれはグラファイトに1keVのNイオンを照射することにより形成した窒化炭素薄膜のローカルな化学結合状態を調べるため、X線光電子分光法を用いてCとNの1s準位の化学シフトを調べた。窒化炭素薄膜のN1sのXPSスペクトルには3つのピークが観測され、3つの異なるC-Nの結合状態があることが知られている。このピークの帰属を行うため、標準物質のC,N1sの結合エネルギーをXPSで測定し、窒化炭素薄膜のC,N1sの結合エネルギーと比較した。その結果からN 1s XPSの3つのピークはそれぞれ3つの炭素原子に結合した窒素、負の形式電荷を持つ窒素、そして炭素原子と結合していないフリーな窒素に帰属されることを提案した。